稽古場から見える満開の桜は、毎年の楽しみのひとつです。
春は出会いと別れの季節と言われますが、今年も道場では、すでにいくつもの新たなご縁が生まれており、これからがとても楽しみです。
卒業や新たな挑戦などで道場を離れる門下生もいますが、私にとっては「お別れ」という気持ちはありません。
いつ、どこで、どのように再会するか分かりませんし、その日を心待ちにしているからです。
そんな“思いがけない再会”を思い出させてくれる出来事が、2年ほど前にありました。
年末、友人が経営する事務所のレイアウト変更を手伝うために出向いたところ、高校生のお手伝いが2人来ていたのです。
ひとりは友人の息子さん、そしてもうひとりはその親友。
友人の息子さんは幼い頃に空手を体験しに来てくれたことがあったのですが、「5歳くらいだったので、ほとんど覚えていないんです」と話していました。
するともう一人の男の子が、「僕、空手やってました」と言い出したのです。
「どこで?」と尋ねると、なんと渡辺道場に通っていたとのこと!
名前をたずねると、小学生の頃に在籍していたことを思い出し、本当に驚きました。
高校生になった姿にはさすがに気づけませんでしたが、面影はしっかり残っていて、「こんな偶然があるのか」と感動したのを覚えています。しかも、彼らが通っていた高校は私の母校でもありました。
今では2人とも大学生になり、元気に頑張っていると聞いています。
道場を卒業してからも、このように思わぬ形で再会する話は他にもたくさんありますので、また改めてご紹介したいと思います。
人生は不思議な縁でつながっていると実感する今日この頃。
道場を離れても、いつでも遊びに来ていただきたいですし、街中で見かけたときも、ぜひ遠慮なく声をかけてください。
新しい出会いと懐かしい再会が交差するこの春、渡辺道場でお待ちしています。
どうぞみなさんも、素敵な春をお過ごしください。